過積載で天気がいいのに発電電力がピークカットされない理由
前回のブログ の続編です。
快晴なのに発電電力がピークカットされないのは、日射量が不足しているためか、設備(パワコン等)がおかしいかのどちらかだと思いますが、設備を確認するには現地に行く必要があるので、とりあえず、日射量の可能性を探ってみることにしました。
ソーラーパネルを設置する場合は、地面に対して傾斜角をつけて設置するのが一般的です。
ソーラーパネルは、日光がパネルに垂直に入射する時に最大の電力を発電するようになっているので、パネルの傾斜角が小さくなればなるほど、発電する電力が低下していきます。
NEDOの日射量データベース(METPV-11)
では、パネルの傾斜角に応じた日射量をシミュレートできるようになっています。
このデータを使って、パネルの傾斜角が変化した時の日射量の変化をグラフにすると、次のようになりました。
このグラフは、東京の11月28日12時の方位南の斜面日射量の変化です。
2017年11月28日12時の東京の太陽高度は約33度なので、パネル傾斜角が57度の時を100%(発電量最大)にしてあります。(太陽高度は計算サイト
で求めました。)
11月28日は、11月末前後のデータの中から、一番日射量が大きい日(=天気が良い日)を選びました。
グラフから、パネルの傾斜角が57度の時に対して、20度の時は約80%の日射量、10度の時は約70%の日射量になることが分かります。
METPV-11のデータから傾斜角が57度の時の日射量は3.21MJ/㎡(=892Wh/㎡)なので、パネルの総容量が75kW(150%過積載)の時の傾斜角とパネル出力の関係を求めると、次のようになりました。
このグラフから、パワコンの最大出力(ピークカットされる電力)が50kWの場合、
パネル傾斜角が10度の時はピークカットされない
パネル傾斜角が20度以上の時はピークカットされる
ということが分かりました。
先日、快晴なのにピークカットされなかったのは、これが理由の可能性があります。
ちなみに、パネルの総容量が100kW(200%過積載)の時は、次のようになります。
この場合は、傾斜角が10度でもピークカットされることが分かります。
ちなみに、太陽が一番低くなる冬至の日(今年は12月22日)は、太陽高度が11月28日と1度位の違いなので、大体似たような状況になると思います。