太陽光にいい土地がないなら、屋根貸し物件はどうか?

土地付き太陽光の仲介サイトなどを見ていると、時々、「屋根貸し物件」を見かけます。

いい土地がなかなか見つからないこともあり、この「屋根貸し物件」について、発電事業者の立場で、少し考えてみました。

まず、「屋根貸し物件」のメリットとしては、このようなことがあると思います。

・初期費用が安くなる可能性がある
屋根の賃料の相場は年間100~300円/㎡とのことなので、土地の場合とあまり変わらないと思いますが、屋根なので造成工事は必要ありません。
屋根の補強工事などが特に必要なければ、初期費用が安くなる可能性があると思います。
また、フェンスも必要ありません。

・維持費が安くなる可能性がある
野立てでは避けられない雑草対策が必要ないので、一度発電を始めてしまえば、ほとんど現地に行く必要がないかもしれません。現地に行く交通費がかからず、雑草対策の費用も不要です。
普段は遠隔監視装置で発電の状況を確認して、数年に一度、施工会社に点検してもらえばよさそうな気がします。

・防犯上有利
関係者以外の人が設備に近付くことは容易ではないと思われるので、防犯上有利だと思います。

一方、「屋根貸し物件」のリスクやデメリットは、このようなものがあると思います。

・建物の所有者が変わるリスク
屋根を借りる契約はその時の所有者と行うので、その後、建物の売却などで所有者が変わった場合、契約が引き継がれない可能性があります。
土地の場合は、地上権を取得すれば、土地の所有者が変わっても土地を使い続けることができますが、屋根の場合はそのような権利がないので、場合によっては、建物の新しい所有者が設備の撤去を求めてくるかもしれません。

・屋根や建物に損傷を与えるリスク
屋根に1枚10kg以上のソーラーパネルを数100枚載せると、かなりの重量が建物に加わることになります。
また、ソーラーパネルを設置したら雨漏りするようになったという話もあります。
どんなに万全な施工をしても、経年変化や災害などで想定外の事が起こる可能性は0ではないと思います。
施工保証の内容を十分確認しておくことが必要だと思います。

・周辺の環境が変わるリスク
発電を始めた後、近くに高いビルが建って日当たりが悪くなる可能性があります。
築浅の建物なら建て替わる可能性は低いと思いますが、古い建物や空き地がある場合は要注意だと思います。
その地域の容積率や高さ制限など、建築制限を確認することで、ある程度リスクを低減できると思いますが、制限は緩和される場合もあるので要注意だと思います。

・反射光リスク
ソーラーパネルに反射した日光が付近の建物に入るリスクですが、周辺にビルなどが多いと、リスクが高まると思います。
ただし、反射光は事前に検証することで、リスクを下げることは可能だと思います。

・パネルの点検が大変
野立ての場合はパネルの汚れをチェックしたりするのは容易ですが、屋根の上のパネルは容易ではありません。

以上いろいろ考えてみましたが、それぞれ物件によって状況は違うと思いますので、事前に十分検証して、許容できるかどうか慎重に判断することが必要だと思います。