FITの出口戦略・・・ちょっと変な気がしてきた

FITの出口戦略をどうするか? という話題が時々出てきます。

太陽光でも風力でも、ほとんどの場合は、FITの買取価格と期間を元に採算を見積もって、投資の判断をしていると思います。

FITの期間が終了した後は買取価格がどうなるか分からないし、発電所を維持するにはコストもかかるので、FITの期間が終了したら発電事業をやめてしまうという考え方は、ある意味合理的かもしれません。

しかし、FITで始めた発電所を「日本の電力の供給源」と考えると、「FITが終わったから発電をやめる」 というのは、ちょっと変な気がします。

FITが終わったからといって、日本の電力需要が減るわけではありません。

「せっかくFITで再エネの電力を増やしたのに、FITが終わったらFITの前に戻ってしまった」
ということになったら、
「いったい日本は何をやっているんだ?」
ということになってしまうと思います。

たまたま見つけた資料ですが、

JPEA PV OUTLOOK ~ 太陽光発電2050年の黎明 ~

太陽光発電協会が作成した資料で、2050年に向けての日本の太陽光発電に関するビジョンが書かれています。

この中に、2050年までの日本の太陽光発電の累積発電電力のグラフがあります。

2050年にいたる累積稼働見通し

2050年の太陽光の発電電力が200GWという素晴らしい見通しになっています。
これだけあれば、晴れの日の日中は、日本中の電力需要を太陽光だけで賄うことができるかもしれません。

きれいな右肩上がりですが、一度稼働した発電所は、ほとんど撤退しないことが前提になっていると思われます。

同じ資料に、このようなグラフもあります。

買取期間終了電源の容量

住宅用の太陽光は2019年以降、非住宅用太陽光は2032年以降、FITの買取期間が終了します。

住宅用はほとんどが余剰買取で、自宅に設置している場合が多いと思いますので、FITの買取期間が終わっても、発電自体はしばらく継続すると思います。

一方、非住宅用は、土地や建物の屋根を20年契約で借りている場合や、最初から20年間の計画で投資している場合など、FITの買取期間が終了したら撤退する発電所があると思います。

さらに、ソーラーパネルは設置後30年位で更新時期を迎えると言われていますので、そこでパネルを更新しないで撤退する発電所もあると思われます。

また、パワコンが壊れても修理や交換をしないで、定格電力を発電できない発電所もありそうです。

そう考えると、上のグラフのような、2050年に向けて太陽光の発電電力が右肩上がりにはならないかもしれません。

2050年にいたる累積稼働見通し2

もしかすると、日本の再エネは2032年以降、減少してしまうかもしれません。

そうならないためには、再エネの発電をFITの終了後も継続できる(したくなる)ようにする必要があると思います。
設備を更新しても採算が合うようにする必要があります。

パネルの廃棄費用の積み立てを義務化するような議論が行われているようですが、廃棄だけでなく、設備を更新して発電を継続できるようにする施策も必要だと思います。