日射量の長期トレンドは今後どうなる?(6)・・・日射量と湿度の関係
以前のブログ
日射量の長期トレンドは今後どうなる?(5)
の続編になります。
以前からずっと気になっていることに、「日射量と湿度の関係」 があります。
ここ数年、東京など湿度が急上昇している地域があります。
湿度の上昇は、海面水温の上昇によって水蒸気の量が増えていることが一因の可能性がありますが、地球規模で海面水温が上昇している現状を考えると、今後も湿度の上昇が続く可能性があると思います。
(参考)
東京の湿度が急上昇している。気候に異変か?
東京の湿度が急上昇している。気候に異変か?<続き>
一般的には、湿度が高いと雲ができやすくなって、日射量が減少すると考えられます。
ところが、湿度が上昇している割には、日射量の増加傾向が続いているように思われます。
日射量が多いことは太陽光発電には好ましいかもしれませんが、湿度が上昇しているのに日射量が増加しているという、一般論とは異なる現象が起きていることになります。
この現象の理由について、ネットでいろいろ探したのですが、見つけることはできませんでした。
とりあえず、「日射量と湿度の関係」について、もう少し細かく見てみることにしました。
今までは日射量も湿度も「年間の平均値」で推移を見ていましたが、今回は「月間の平均値」を月別に見てみることにしました。
月別に東京の日射量と湿度の過去の推移をグラフにしてみると、以下のようになりました。
日射量と湿度の関係を月別の推移で見ると、相関性はかなり高そうに思います。
1年毎の変化を見ると、湿度が低い年は日射量が多く、湿度が高い年は日射量が少ないという傾向は明らかだと思います。
長期的な傾向を見ると、ちょっと気になることがあります。
8月、9月、10月の3ヶ月は、直近数年間の湿度の急上昇に合わせて、日射量が急低下しています。
他の月は、湿度は上昇しても、日射量の長期的な傾向はあまり変わっていないように思います。
年間の平均値では日射量の上昇トレンドが継続していても、月別に見ると、夏の終わりから秋にかけては日射量が減少していることが分かります。
実際、去年の8~10月は日射量の厳しい日が多かったです。
基本的には、年間トータルの日射量が想定以上なら、発電事業としては問題ないと考えていますが、この最近の急激な変化は何らかの予兆かもしれません。
この現象、もう少し調べてみようと思います。