スマートメーターを導入する裏の目的(続き)

先日のブログ
スマートメーターを導入する裏の目的
の続編です。

スマートメーターの導入によって、「盗電」をかなり防ぐことができるようになると思われるのですが、
「盗電とまでは言えないかもしれないけど、グレーな状況」
も、スマートメーターによって解消しているようです。

その「グレーな状況」とは、「空き家や空き室の電気の使用」です。

以前の入居者が電気の停止をしてから、次の入居者が電気の使用開始をするまでの間は、誰も電気の使用契約をしていない状態になります。
しかし、その間に修繕工事をしたり、入居者の内覧などで、電気を使う場合があります。
以前のアナログメーターの時は、以前の居住者が電気を停止しても契約が終わるだけで、普通は実際に部屋に来ている電気は止まりませんでした。
最後の検針をした時に、分電盤のブレーカーを落とすだけだと思います。
なので、電気を停止した後でも、ブレーカーを上げれば、電気を使えていました。
おそらく、電力会社は本当は物理的に電気を止めたいけど、工事のコストを考えてそのままにしていたのでしょう。

ところが、スマートメーターにはブレーカーが内蔵されていて、そのブレーカーは電力会社が遠隔操作することができます。
そのブレーカーは電力会社だけが操作できる。
と言った方がいいかもしれません。
スマートメーターを導入すると、いちいち作業員を現地に派遣することなく、電力会社はいつでも電気を物理的にON/OFFすることが可能になります。
以前のような、使用契約がない状態でも電気が使えてしまう「グレーな状況」を解消することができます。

実際、スマートメーターの導入が始まって以降、
「内覧希望者に部屋を案内したが、電気が入らず真っ暗だったので、帰ってしまった」
といった経験をした不動産屋もいるようです。

そのような不便を考えて、以前エネチェンジは「空室サポート」というサービスを行っていました。

エネチェンジ空室サポート
エネチェンジ空室サポート

このサービスは3ヶ月位で終わってしまったようですが、利用者が増えなかったのでしょうか。

ちなみに、スマートメーターの内蔵ブレーカーは、現状5~60Aの範囲のようです。

スマートメーター展開に伴うSB廃止について
スマートメーター展開に伴うサービスブレーカー(SB)の新規設置の廃止について

現状、120A以上の契約の場合は電流制限機能がないので、24kW以上の太陽光発電所などでは、電力会社に勝手に電気を止められることはないと思います。