太陽光パネルの廃棄費用の源泉徴収が2022年から始まるようです

資源エネ庁の委員会で検討が進められてきた太陽光パネルの廃棄費用の積み立て制度ですが、かなり議論が具体的になってきているようです。

再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会の
令和元年12月12日(第5回)の配布資料 の中の
太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループ 中間整理
にいろいろ書かれています。

廃棄費用積立ての単価
 
具体的な積み立てる金額は、買取価格毎に以下のように想定しているようです。

廃棄費用想定価格
 
買取単価に対する積み立て額の割合を計算すると、

40円/kWhの発電所は、4.05%
32円/kWhの発電所は、4.00%
24円/kWhの発電所は、4.54%
18円/kWhの発電所は、4.44%
14円/kWhの発電所は、4.71%

という感じで、買取額に対して4~4.7%程度が廃棄費用として徴収されることになるようです。
買取単価が安い発電所ほど、比率が上昇する傾向にあります。

廃棄費用積立て頻度

積立て頻度が1か月ということは、毎月の売電額の中から源泉徴収することになると思われます。
つまり、廃棄費用の源泉徴収が始まると、毎月の売電収入が純粋に4%以上減ることになります。

廃棄費用積立て時期

廃棄費用の源泉徴収は、FITの買取期間の終了前の10年間で行おうとしているようです。
FITの買取期間が20年の場合は、11年目に突然源泉徴収が始まるので、ちゃんと把握しておく必要があると思います。

廃棄費用施行時期

40円/kWhの発電所が11年目に入るのが2022年7月なので、それまでに施行しようとしているようです。

買取期間が20年の場合、売電を開始して10年経過すると設備の償却もそれなりに進んでいるはずですが、それを前提に再投資の計画を立てている場合などは、要注意だと思います。
例えば年間の売電収入が200万円で、4.7%が源泉徴収された場合は、年間約10万円の収入減になります。

積み立て金の取り戻しに関しても気になります。
何らかの審査を行うようですが、具体的にどのような手続きなのか、使い方や時期など、どのような制約があるのでしょうか。

さらに気になるのは、積立ての管理と運用にかかるコストとその負担に関してです。
また天下り利権団体が1つ出来上がるのでしょうか。

配布資料には「積立金の運用」などという記載もありますが、運用益はどうなるのでしょう?
少なくとも、発電事業者の積立金が目減りすることはないと思いますが。

ちなみに現在、この廃棄費用に関する事も含めたパブリックコメントを募集しているので、ちょっと考えてみようと思います。

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