東電エリアの系統で何が起きている?

今週、資源エネ庁が出した文書に何となく違和感を感じるのですが・・

東京電力エリアの電圧フリッカ発生地域における10kW以上の低圧太陽光発電事業者の皆さま
フリッカ対策東電エリア資源エネ庁通達

東電エリアの一部でフリッカ現象が発生しているので、10kW以上の低圧太陽光発電事象者は対策に協力してください。

という内容ですが、

・なぜ今、この文書を出したのか?
・なぜ東電エリア限定なのか?
・なぜ10kW以上の低圧太陽光だけなのか?

次々疑問が沸いてきます。

フリッカ現象と言えば、以前、九電エリアでよく聞きましたが、最近は問題ないのでしょうか。

この文書に書かれている東電のページのリンク先 を見ても、フリッカ現象の概要が書かれているだけです。

フリッカ対策東電HP
東京電力パワーグリッド 電圧フリッカについて

資源エネ庁がわざわざ東電エリアの低圧限定の文書を出した理由は、何なのでしょう?

東電エリアの系統のどこかが大変な事になっているのでしょうか??

ちなみに、このフリッカ現象の具体的な対策方法は、JEM 1498 : 分散型電源用単相パワーコンディショナの標準形能動的単独運転検出方式(ステップ注入付周波数フィードバック方式) で規定されていて、2017年改訂版でフリッカ対策が盛り込まれました。

フリッカ対策JEM1498_2017日本電気工業会お知らせ
標準形能動的単独運転検出方式(JEM1498 2017 年改正版)搭載太陽光発電用パワーコンディショナへの切替について

このお知らせは、主にパワコンメーカー向けですが、
従来の単独運転検出方式はフリッカが発生するので、新方式に切替えてください。
というものです。

新しく生産されるパワコンは2020年3月末までに切替えが完了するようですが、在庫品やすでに設置済みのパワコンはフリッカが発生する可能性があります。

参考までに、このフリッカ対策の技術的な内容に関して、日本電気技術者協会のサイト に解説がありました。
興味のある方はご参照ください。

能動的方式による電圧フリッカの発生(抜粋)

電圧フリッカ発生対策について、詳しくは日本電機工業会のJEM 1498(分散型電源用単相パワーコンディショナの標準形能動的単独運転検出方式、2012年8月27日制定、2017年12月15日第3回改正)に述べられています。これによると従来の新型能動的方式に対して新たに無効電力発振予兆機能(系統周波数変動の継続監視によって電圧フリッカの発生を予兆)と単独運転発生予兆機能(高調波電圧の急増監視によって単独運転の発生を予兆)が設けられています。無効電力発振予兆が検出されない場合には、能動機能通常状態に遷移してこれまで通りに系統周波数の変動に対して周波数フィードバック部において設定された第1段目ゲインと第2段目ゲインに応じて無効電力が系統へ注入されます。この予兆が検出されると、能動機能待機状態に遷移して第1段目ゲインと第2段目ゲインが共に零となり系統へ注入される無効電力が零になるので電圧フリッカの発生が防止されます。この状態で単独運転発生予兆が検出されると能動機能通常状態へ遷移して単独運転が検出されます。