アップルが採用したテスラの大規模蓄電池

アップルもテスラを選んだようです。

日本経済新聞(2021/4/2)
Apple、テスラから蓄電システム大量購入 55億円超か

米アップルが本社の電力をまかなうために建設中の米国最大級の蓄電施設で、米テスラ製の蓄電システムを採用したことが1日、明らかになった。米メディアは購入額が5000万ドル(約55億円)超に上ると試算している。

アップルはカリフォルニア州にある太陽光発電施設で日中に発電した余剰電力をため、必要に応じて本社などに供給する大型蓄電施設の建設を進めている。予定地である同州モントレー郡の開示資料によって、同施設でテスラが電力事業者などに販売している「メガパック」と呼ぶ蓄電システム85台を採用したことが判明した。

アップルは新施設の蓄電容量が約7000世帯の1日分の消費電力に相当する240メガ(メガは100万)ワット時に上り、米国最大級だと説明している。メガパックの価格は1キロワット時あたり200~300ドルとされ、米メディアはアップルが購入代金としてテスラに5000万ドル以上を支払うと推測している。

これは、アップルがカリフォルニア州で建設中の"California Flats"という電力貯蔵施設に導入する蓄電池です。

アップルジャパン プレスリリース(2021/3/31)
Apple、サプライヤー110社以上の再エネへの課題解決に協力

Appleは米国最大規模のバッテリープロジェクトの1つとして、California Flats という名称の電力貯蔵施設を現在建設中です。
この業界屈指の施設は電力グリッド規模で、7,000世帯以上に供給する1日分の電力量としても十分な240メガワット時のエネルギー貯蔵能力があります。
この電力貯蔵施設はAppleがカリフォルニア州内で用いる再生可能エネルギー全量を生み出す130メガワット相当のソーラーファームに対応し、日中に生成された余剰エネルギーを貯蔵しておき、電力を最も必要とされる時に活用できるよう仕組みになっています。


 

AppleJapan


Megapack

240MWhの容量で55億円ということは、
55億円/240MWh=2.3万円/kWh
です。
2017年にオーストラリアに導入されたテスラの蓄電池 は3.1万円/kWhで、かなり安いと思いましたが、それよりさらに安いです。
今回はカリフォルニアなので場所的な要因もあるのかもしれませんが、4年で2割以上、下がったことになります。

維持費がどうなるかは気になりますが、この位の値段になると、採算的にもハードルが下がってくるのではないでしょうか。

ちなみに、揚水発電の設置費用も2.3万円/kWhだそうです。


豊前蓄電池変電所における大型蓄電システムによる需給バランス改善実証の成果について

もしかして、テスラは揚水発電を意識して値段を決めたのでしょうか?

 
日本国内の1か月の電気使用量は、多い月で約800億kWhだそうですが、


令和元年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2020)

30で割ると1日分は平均27億kWhなので、
このテスラの蓄電池を使うと、
2.3万円×27億kWh=62兆円
で、日本全国で1日に使う電力量を蓄電できることになります。

今後国策として、計画的に毎年数兆円ずつ投資していけば、2050年の日本の電力の大部分を再エネ+蓄電池で賄うことも不可能ではないかもしれません。