東京の湿度が急上昇している。気候に異変か?<続き>

昨日のブログ
東京の湿度が急上昇している。気候に異変か?
の続きです。

ここ数年の東京の湿度の上昇ですが、原因は気温だけではなさそうです。

「蒸気圧」のデータを見て分かりました。

1931年から2017年の東京の湿度のグラフに、蒸気圧のデータを追加すると、こうなりました。

湿度他1931_2017_tokyo2

赤線が湿度、ピンク線が蒸気圧です。

2000年より前は、蒸気圧がほぼ一定でも湿度が低下していたので、これは気温の上昇が原因と考えられます。

一方、2000年以降は、蒸気圧の上昇に合わせて湿度が上昇しています。
気温の上昇は止まっているので、蒸気圧の上昇によって湿度が上昇していると思われます。

蒸気圧の上昇とは、空気中の水蒸気の量が増えているということです。

東京以外でも見てみました。

【函館】
湿度他1931_2017_hakodate2

【福岡】
湿度他1931_2017_fukuoka2

函館も福岡も、2008年以降の湿度の上昇と蒸気圧の上昇が大体一致しています。
ここ数年、全国的に水蒸気の量が増えているのかもしれません。

では、なぜ水蒸気の量が増えているのでしょう?

一般的には、気温が上昇すると、海水の蒸発が増えて水蒸気が増えるようですが、最近は気温の上昇は停滞ぎみです。
降水量も見てみましたが、あまり変化は分かりません。

どこか遠くに水蒸気を大量に発生している所があって、そこから水蒸気が運ばれてきているのでしょうか?

水蒸気の量が増えると、雲が増えることが懸念されます。
雲の増加は、日射量の低下につながる可能性があります。

グラフでは、今のところ、雲量はあまり変化していないように見えますが、今後の動向が気になります。