再エネ固定価格買取制度(FIT)のインボイス対応、免税事業者はどうする?(その5)

来年度以降のこともあるので、一応まとめておきます。

東京新聞(2023/8/18)
電気代がインボイス制度導入で10月に値上がり…電力会社の負担が消費者にしわ寄せ

消費税のインボイス(適格請求書)制度が10月から始まることに伴い、毎月の電気代が来春、月1~2円程度ではあるが値上がりする予定だ。
同制度によって新たに発生する電力会社の負担分を電気代に上乗せして補うためで、わずかな金額とはいえ消費者にしわ寄せがいく格好。
インボイスに反対する人たちからは「公平性を欠き、制度の問題が浮き彫りになっている」と不満の声も上がっている。

経済産業省の試算によると、各電力会社が仕入れ税額控除できないことで消費税の負担が年58億円発生するとしている。

消費者に生じる負担額は1キロワット時当たり0.007円程度といい、標準的な電気使用量の家庭で月1~2円程度の増額とみられる。


「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案等の概要」に関する意見公募の実施結果について


「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案等の概要」に関する意見公募の実施結果について

衆議院 財務金融委員会(令和5年2月17日)

この二〇二三年度に必要となる金額につきましては、FIT認定事業者に対して我々が実施いたしましたアンケート調査の回答結果から機械的に試算いたしますと、十キロワット未満の太陽光分が約十五億円、十キロワット以上の太陽光分が約三十九億円、その他の再エネ分が約四億円の計五十八億円と試算されます。

これは、二〇二二年度の想定販売電力量から機械的にキロワットアワー当たりの単価に換算いたしますと、〇・〇〇七円程度という金額になります。現在、二〇二二年度の賦課金単価が三・四五円でございますので、これの〇・二%程度の水準に当たるというのが機械的な試算になります。

東京新聞の記事には「来春から」と書かれているので、0.007円/kWhは、2023年度の賦課金にはまだ入っていないということだと思います。


再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2023年度以降の買取価格等と2023年度の賦課金単価を設定します

今後ですが、インボイス制度の8割控除と5割控除の経過措置が終わる2026年10月以降と2029年10月以降は、必要な金額が結構変わってくる可能性があります。

 
ちなみに、50kW以上の太陽光発電所は94%以上がインボイス発行事業者のようです。



可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第49回)

 
なぜ、インボイス制度で電気代が上がるのか、いま一つよく分からない方は、ぜひこちらの記事も御覧ください。
インボイス制度で始まる「負担の押し付け合い」

 
<関連記事>
消費税にまつわる国家的デマ「消費税は預かり金」の大ウソ
消費税にまつわる国家的デマ「消費税は預かり金」の大ウソ(その2)

再エネ固定価格買取制度(FIT)のインボイス対応、免税事業者はどうする?(その1)
再エネ固定価格買取制度(FIT)のインボイス対応、免税事業者はどうする?(その2)
再エネ固定価格買取制度(FIT)のインボイス対応、免税事業者はどうする?(その3)
再エネ固定価格買取制度(FIT)のインボイス対応、免税事業者はどうする?(その4)
インボイス対応は慎重に