再エネ固定価格買取制度(FIT)のインボイス対応、免税事業者はどうする?(その2)

FITのインボイス対応ですが、いろいろ調べていると、いろいろ疑問が出てきます。

インボイス制度の最も基本的なことは、取引の売り手が買い手に「インボイス」を交付することだと思います。


インボイス制度リーフレット「令和5年10月 インボイス制度が始まります!」

「インボイス」は、請求書や領収書のようなものですが、以下のように記載事項が決められています。


インボイス制度リーフレット「令和3年10月1日登録申請受付開始!」

ここで疑問が出てきました。
FITでインボイスに対応した場合、発電事業者が電力会社にインボイスを交付することになりますが、具体的にどのような手続きになるのでしょう?

現状、発電事業者は、電力会社に対して売電した電気の請求書も領収書も交付していないと思います。
電力会社からこのような購入料金などのお知らせが発行されて、その料金が銀行の口座に振り込まれるだけです。


 
FITの売電の取引では、買い手(電力会社)が料金を決めることになっています。
したがって、売り手は買い手(電力会社)から購入料金を教えてもらわないと、インボイスを交付することができません。

毎月、電力会社から、
「〇〇〇〇〇〇円(消費税〇〇〇〇〇円)のインボイスを交付してください」
という連絡が来るのでしょうか?

何だか面倒なことになりそうです。
発電所をたくさん所有している人は大変そうです。
電力会社が必要な期日までにインボイスを収集し切れるのかも疑問です。

これは発電事業者と電力会社の双方に多大な負担が発生しそうな気がします。

売電の取引のインボイス対応、本当にやるのでしょうか・・

 
インボイス制度では、売り手が買い手からインボイス(適格請求書)の交付を求められた場合は、売り手はインボイスを交付しなければなりませんが、例外があります。


インボイス制度パンフレット「適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-」


インボイス制度パンフレット「適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-」

買い手側にも、インボイスがなくても仕入税額控除が認められる場合があります。


インボイス制度パンフレット「適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-」

現実の取引の状況を考慮して、このような例外が設けられているようですが、売電の取引もここに入れることはできないのでしょうか?

 
少し思ったのですが、資源エネルギー庁が検討している、
インボイスが発行されない取引については、当該取引による買取義務者の消費税負担分を制度的に措置する方向で検討する。
の「制度的に措置する」は、もしかして、例外に加えるということ?

どうなるか分かりませんが、とりあえず、もうしばらく様子見が良さそうな気がしています。

 
ちなみに、エコめがねさんも現時点では様子見を推奨しているようです。

エコめがねエネルギーBLOG(2022/6/17)
太陽光発電事業者はインボイス制度にどう対応すべき?

 
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