実際の発電量がシミュレーションより多い理由(その2)

実際の発電量がシミュレーションより多い理由(その1)
では、日射量の年平均のデータを用いて、シミュレーション値との比較を行いました。
今回は、日射量の傾向をもう少し細かく検討するため、月別のデータを見てみることにしました。

気象庁の2008年から2017年の各年の月別の全天日射量のデータのグラフに、NEDOの年間月別日射量データベース(MONSOLA-11) の各月のデータを入れると、以下のようになりました。

前回と同様、東京、函館、福岡の3地域です。

【東京の月別日射量】
日射量月別SIM比較tokyo

【函館の月別日射量】
日射量月別SIM比較hakodate

【福岡の月別日射量】
日射量月別SIM比較fukuoka

太い青線がMONSOLA-11の各月の日射量です。

東京の日射量は、年の初めから7月までは、ほぼ安定してシミュレーションより多くなっています。
特に4月から7月にかけては稼ぎ時だと思います。
ところが、8月以降は急激に低下する傾向があるようです。
この秋の低下が年々早まっているような気がするのですが、ちょっと気になります。

函館は、年初めから3月頃までと10月以降は、ほぼ安定してシミュレーション同等の日射量になっています。
夏場は年によってバラつきがあります。
夏の日射量によって、年間の発電量に差が出てくると思われます。

福岡は、冬から春にかけては、ほぼシミュレーションと同等の日射量ですが、夏場は年によってかなりバラつきがあります。
夏場のバラつきがシミュレーション値に対して±30%くらいあり、夏の日射量によって、年間トータルの発電量がシミュレーションより多くなったり少なくなったりする可能性があります。

全体的には、5月頃までは比較的安定してシミュレーション同等かそれ以上の日射量で、夏から秋にかけては年によってバラつく傾向があるようです。

夏以降のバラつきは、南の方に行くほど大きくなるのでしょうか。
この辺は台風や大雨の影響もあるかもしれません。

月別の日射量を分析していくと、もっといろいろ分かることがあるかもしれません。

引き続き、日射量を気にしていこうと思います。