夕方、ソーラーパネルに影ができる理由

先日のブログ 「夕方、発電量が急低下している 」 で、パネルに影がかかっていることを書いたのですが、その理由を検証してみました。

秋になって太陽の高度が低くなってくると、ソーラーパネルに隣(南側)の架台の影ができる可能性があります。

このようなイメージです。

パネル影最低太陽高度1

ソーラーパネル1の最上部とソーラーパネル2の最下部を結んだ直線を延長した線(点線)より、太陽が低ければ、ソーラーパネル2に影ができます。

ここで重要なのは、パネルの間隔(w)は、「時間によって変化する」ということです。

「パネルの間隔が変化する」 というと、ちょっと変かもしれませんので、「パネル間の太陽光の距離が変化する」 といった方がいいかもしれません。

太陽は東の方から昇って西の方に沈むので、太陽の位置によって、パネルの間の太陽光の距離が変わります。

パネル影架台間距離1

ソーラーパネルが真南を向けて設置されていて、太陽も真南にあれば、パネル間の太陽光の距離は、パネルの設置間隔と同じになりますが、それ以外の場合は、太陽の方位に応じて、パネル間の太陽光の距離が時々刻々と変化することになります。

パネル間の太陽光の距離が変化するということは、パネルに影ができる時の太陽の高度も変化することになります。

当発電所で、太陽の高度が何度以上あればパネルに影ができないかをエクセルで計算すると、こうなりました。

パネル影最低太陽高度グラフ1
 
パネルの真南方向(グラフの90度)では、太陽の高度が約20度以上なら、影ができないことになります。
そして、東西に行くほど、影を作らないために必要な高度(最低高度)が低くなります。

太陽は日中の南の方にある時は高高度で、東西に行くほど低高度なので、影ができにくい方向ではありますが、それでも太陽の方が低くなって影ができてしまうことがあります。

一方、当発電所のソーラーパネルの設置方位は、真南ではなくて、約20度、西を向いています。

パネルが約20度、西を向いていることで、パネルに影を作らないための最低高度の変化と、実際の太陽の高度の変化にズレが生じることになります。

パネルの方向を西に20度ずらして計算した結果がこれです。

パネル影時期別太陽高度グラフ
 
横軸は、真北を0度にした方位なので、真南は180度です。
パネルに影を作らないための最低太陽高度は、方位200度(180+20)の時がピークになっています。
太陽の高度は方位180度がピークなので、20度のズレがあります。

冬至、夏至、2017/10/23の3日分の太陽の高度も入れてみました。
グラフがガタガタしているのは、手間の都合で小数点以下を丸めているためです。

グラフから、先日の2017/10/23は、夕方、太陽の方位が約245度以上の時に、最低太陽高度より低くなって、パネルに影ができることが分かります。
朝は影ができません。

1年で太陽が一番低い冬至の日は、朝の方位約120度以下と、夕方の方位220度以上で影ができることになります。
ただし、朝の方位120度の太陽の高度は2度なので、実際にはほとんど太陽が出ていない状態だと思います。

ソーラーパネルに影を作らないための最低太陽高度を図にしてみると、こんな感じです。
パネル影各方位最低太陽高度

ということで、当発電所は、朝は影の心配はなさそうですが、夕方はパネルに影ができることが分かりました。

やはり、夕方、発電量が急低下する原因はパネルの影と思われます。

あとは、夕方の影が実際の発電量にどの程度影響するかが気になりますので、今後、時間があったら検討しようと思います。