日射量の長期トレンドは今後どうなる?(1)

太陽光発電にとって日射量は非常に重要だと思います。
天気の良い日と悪い日で、発電量が10倍も違う時もあります。

今年は8月以降、悪天候で日射量の少ない日が多く、発電量は厳しい状況になっています。
これが短期的な現象ならあまり気にする必要はないと思いますが、もし長期的に日射量が低下していくような傾向であれば、大きな問題になるかもしれません。

そこで、日射量の長期的なトレンドについて、少し検討してみることにしました。

過去の日射量のデータは、気象庁の「過去の気象データ検索」  で取得することができます。

1973年から2017年までの国内3か所の全天日射量をグラフにすると、以下のようになります。

【東京の全天日射量の推移】
全天日射量経年変化1973_2017東京

【函館の全天日射量の推移】
全天日射量経年変化1973_2017函館

【福岡の全天日射量の推移】
全天日射量経年変化1973_2017福岡

それぞれ、赤線は年間の全天日射量の平均値のグラフ、オレンジ線は月間の全天日射量の平均値のグラフです。
2017年の11月と12月は、10月のデータを使っています。

3か所とも、上下のブレはありますが、全体的に日射量は増加傾向です。

今後もこの調子で増えていけば、太陽光発電にはいいかもしれませんが、そもそも、この日射量が増加している理由は何でしょう?

最近は悪天候の日が多いですが、天気が悪く雲が多いと、日射量は低下します。
逆に、雲が少ないと、日射量が増加すると思います。

そこで、「雲量」を見てみることにしました。

「雲量」は、空の全天に占める雲の割合を表したものです。
1以下が快晴、2~8が晴れ、9以上が曇りと定義されています。
天気とその変化に関する用語

雲量のデータも、気象庁のサイトから取得することができます。

日射量と同様に1973年から2017年までの3か所の雲量のデータをグラフにすると、以下のようになりました。

【東京の雲量の推移】
雲量経年変化1973_2017東京

【函館の雲量の推移】
雲量経年変化1973_2017函館

【福岡の雲量の推移】
雲量経年変化1973_2017福岡

日射量と同様に、それぞれ年間平均と月間平均のグラフです。

短期的には結構ブレがありますが、長期的な傾向は、ほぼ横ばいか若干増加傾向です。

長期的に雲量が減少傾向なら、日射量増加の理由になるかもしれませんが、逆なので、どうやら雲量は関係なさそうに思います。

では、日射量増加の理由は、いったい何でしょう?

日射量が長期的に増加している理由を求めて、いろいろネット上を探したところ、、

その答えかもしれない資料を見つけました。

続きは次回に。