低圧太陽光(10kW以上)の発電設備の廃棄費用は「建設費の5%」?

2018年7月31日付けで資源エネルギー庁から
廃棄費用(撤去及び処分費用)に関する報告義務化について(周知)
という文書が出されましたが、7月23日から、FIT認定の発電設備(10kW未満の太陽光は除く)は、定期報告で廃棄費用を報告することが義務化されたそうです。

廃棄費用に関する報告義務化について

 
この文書、「なっとく!再生可能エネルギー 」の新著情報にあります。
はたしてどれだけ周知されてされているのかちょっと疑問はありますが、そんな事よりもっと疑問なのは、

いったい廃棄費用はいくら用意すべきなのか?

ということです。
「報告せよ」と言うのは簡単ですが、20年以上先の費用を正しく報告できるのでしょうか?

この文書には、
「FIT制度の調達価格には既に廃棄費用が含まれており、・・・」
と明記されています。
とりあえず、その金額を確認しようと思ったのですが、この文書に書かれている
事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)
を見ても、具体的な金額は見当たりません。
また、事業計画策定ガイドラインで紹介されている
太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン
には、住宅用太陽光の費用しか見当たりません。(隅から隅まで見たわけではありませんが)

散々いろいろ探した結果、ありました。
再生可能エネルギー電子申請の操作マニュアル
です。
この中の
・再生可能エネルギー電子申請_操作マニュアル(認定申請:太陽光10kW以上50kW未満).pdf
の38ページです。

認定申請登録画面(撤去及び処分費用)
※撤去及び処分費用については、その算定方法についても入力します
(解体業者から見積もりをとることが難しい場合、調達価格を算定する際に廃棄費用の基準としている、建設費の「5%」とする算定も可能です)

 
建設費の5%ということは、パネルや架台等の設備一式とそれらの工事費を合わせて1500万円の場合は、75万円ということになります。
これを20年で割ると、毎年37500円です。
この金額が廃棄費用(撤去及び処分費用)として妥当なのか、よく分かりませんが、報告書上は問題なさそうです。

それにしても、
見積もりをとることが難しい場合・・・
と書いてありますが、有効期限が20年以上先の見積書を出してくれる解体業者はあるのでしょうか?
あったら、ぜひ教えてください。

おそらく、ほとんどの人は建設費の5%で報告するのではないでしょうか。
でもそうすると、設備価格が毎年大幅下落している太陽光は、廃棄費用も大幅下落することになります。
それに、実際に廃棄するのは20年後とか30年後とか、あるいはもっと先かもしれません。
その頃の物価とか人件費とか、どうなっているのでしょう?

資源エネ庁もその辺の事は分かってやっていると思いますが・・
まあ、1円も用意していないより、5%でも用意されていた方がいい。ということかもしれません。

どうせなら、「固定価格廃棄制度」でも作ってくれればいいと思うのですが。